WRAP(元気回復行動プラン)とは?| 吉沢六花 -ブレイクスルーをデザインする心理コンサルティング –

WRAP®(元気回復行動プラン)とは?

メンタルヘルス分野で、自分で構築する行動プランとして注目されてきたWRAP®(元気回復行動プラン)。
あくまで、ひとりのユーザーの個人の経験談と感想の域を出ませんが、WRAPについて、今一度、まとめてみました。

そもそもWRAP®(元気回復行動プラン)とは?

元気回復行動プラン――WRAP®(ラップ)は、元気になり、元気であり続け、なりたい自分になるめの、自分でつくる自分のための行動プランです。アメリカの精神的な困難を持つ方たちによってつくられたものですが、WRAPは誰にとっても役立つことが報告されています。

元気回復行動プランWRAP®とは – COMHBO地域精神保健福祉機構-

WRAP®(元気回復行動プラン)とは?

WRAP®は、英語でWellness Recovery Action Planの頭文字を取ったもので、「ラップ」と読みます。

日本語では、元気回復行動プランと呼ばれます。
元気になるために大切な5つのこととして、次の項目を含みます。

  • 希望
  • 責任
  • 学び
  • 自分で権利擁護する
  • サポート

実際に作るプランは、以下のものになります。

  • 毎日すること
  • 時々するといいこと
  • 引き金
  • 注意サインと行動プラン
  • 調子が悪い時のサインと行動プラン
  • クライシスプラン
  • ポストクライシスプラン

具体例

1つ例を挙げてみましょう。

筆者は、注意サインとして、「靴下のストックがないことに、朝気づく」を入れました。

筆者は、よく靴下の足先に穴が開くので、買い替えのローテーションが元々早いのですが、余裕がない時は、ストックがないことに気づくのが遅れ、朝、「履く靴下がない!」ということが時々、ありました。

これは、どこかが痛いとか、何かの症状が出ているとかのサインではないのですが、できていないことに無自覚で、ここでプランをやっておかないと、一段低い「調子が悪い時」に、気がついたら、一気にするするするーっと落ち込んでしまいます。

対策のためのプランとしては、「掃除するための時間を作って、掃除をする」をしていました。惰性でどこかに出かけそうになっても、意図的にストップをかけて、リセットする時間を持ちました。すると、別のモノ、洗濯洗剤や箱ティッシュも切らしていたことに気づきます。

「体調が悪い時にこういうことが起きると泣きっ面に蜂なんだよなぁ」と思いながら、このタイミングでやっておいて良かったと思うことで、気分も体調も少しだけでも回復できたり、「いつもより、ちょっと早めに寝たほうがいいな」というような、冷静な判断ができる自分になれることが元気でいることに役立ったのです。

ワークショップのファシリテーターをしていた時も、注意サインがなく、気がついたら調子が悪くなっていることが多いと仰る参加者さんが何人かいらっしゃいました。

まとめ

あくまで、筆者個人の例を上に書きましたが、人それぞれ生活スタイルは違うので、十人十色で全く違うWARP®が出来上がるのもWRAP®の楽しさ、面白み、と言えるかもしれません。

筆者は、WRAP®を始めた頃、1つ1つが、とても些細なことに感じて、これでは役に立たないのでは?と思っていました。
また、些細な自分の行動1つ1つを吟味することにも、とてもイライラして、できない!!と何度も「投げ出しては、やってみる」を、繰り返し、その繰り返しの中で、体得していった感があります。

WRAP®はどう発展してきたの?

ところで、WRAP®は、いつ頃からどのように発展してきたのでしょうか。あらためて、確認してみましょう。

世界の歴史

メンタルの困難を持っていたアメリカのメアリー・エレン・コープランドは、自分と同じように病気を持っている患者さんの中でも、元気が出ない人と、元気に過ごせている人がいるのでは?と思い、その違いを知りたくて、アンケートを取ってみました。

それを集計して、その違いを抽出し、使いやすいように改良を重ねたのがWRAP®です。

日本の歴史

 

 

WRAPのこれまで|まとめ

WRAP®は、アメリカでメンタルの困難を持っていたメアリー・エレン・コープランドによって編み出され、使いながら他の患者さんの意見も組み込まれ改良されたメソッドで、日本にも導入されました。

WRAP®は現在でも、世界中のメンタルヘルス分野で広く使われています。

WRAP®(元気回復行動プラン)|具体例

具体的に、どのようにプランを考えるのか、具体的な実践例を書いてみました。

WRAP®(元気回復行動プラン)|【具体例】

ここでは、「毎日すること」と「時々するといいこと」を少しだけ取り上げます。
するといい(でも、しなくてもいい?)こととは何でしょう。
「毎日」と「時々」では、どのように違うのかも、考えてみます。

WRAP®(元気回復行動プラン)|【具体例】毎日すること

「毎日する」と考えると、大掛かりなことは、すぐに挫折しそうで難しいです。
例えば…「音楽を聴く」ことなら毎日の気分を良くすることに役立つかもしれません。
「電車の中でスマホで音楽を再生する」といったような些細なことです。

WRAP®(元気回復行動プラン)|【具体例】時々するといいこと

「時々するといい」ことを考えると、バージョンアップして好きなアーチストの情報を集めるのも良いかもしれません。「たまに」になるかもしれませんが、もしかしたら、「ライブに行く」という人もいるかもしれません。筆者は人混みが苦手なので、「ライブDVDを買う」になるかもしれません。年に1度くらいでしょうか。

もう少し、時々の期間を短くしてみます。例えば、月に一度。2,3ヶ月に一度、などなど。

例えば、「毎日、音楽が聞けるように、ダウンロードするのを家にいる時に終わらせておくこと」「時々、内容を入れ替える」が、元気のために役に立つことかもしれません。

役に立たないかもしれない。でも、やってみれば分かるかも。とにかく、試してみます。

本当に些細なことではありますが、いざ、「今、聞こう!」と思ったのに、「プレイリストに入っていなかった」ことで、ガッカリしたり、イライラすることは、元気でいることに役立たないかもしれないですよね。

この「本当に些細だけれど、自分の好みを分かってもらえてるギフト」を、体調の良い時期や空き時間がある今の自分が、未来の自分に贈っておくのです。

WRAP®(元気回復行動プラン)|まとめ

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元々は、メンタルの疾患と共に暮らす人々が、メンタルの疾患があることは変わらなかったとしても、それでも、少しでも気分良く毎日を過ごしたいと思い、実践していた知恵から始まったWRAP®。

もちろん、WRAPだけで、全てがすっかり短期間で劇的に変わるわけではないのですが、1日のうちの24時間が、痛みや症状による苦しさでパンパンだったのが、紆余曲折ありながら、波がありながらも、楽になっていったプロセスは、自分にも起こり、自分がファシリテーターをしたワークショップの受講者の方にも起こった時は、自分のことのように嬉しかったです。

ワークショップでは、薬を服用中なら、一気に止めるのは危ないですよ!という注意喚起は、必ず行っていました。

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