CBT(認知療法・認知行動療法)とは?| 吉沢六花 -ブレイクスルーをデザインする心理コンサルティング –

CBT(認知療法・認知行動療法)とは?

 メンタルヘルス分野で、セルフでもできる心理療法の1つとして、広く普及してきたCBT。

 あくまで、ひとりのユーザーの個人の経験談と感想の域を出ませんが、CBTについて、今一度、まとめてみました。

そもそもCBT(認知療法・認知行動療法)とは?

 認知療法・認知行動療法は、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。認知とは、「ものの受け取り方」や「考え方」という意味です。

 ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取って、ストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

– 認知行動療法(CBT)とは – 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターNational Center for Cognitive Behavior Therapy and Research

 

CBT(認知療法・認知行動療法)とは?

 CBTは、英語で「Cognitive Behavior Therapy」の頭文字を取ったもので、「シービーティー」と読みます。

 日本語では、認知療法や認知行動療法と呼ばれます。認知に働きかけて、気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。

 認知とは、「ものの受け取り方」や「考え方」のことを言います。

 ものの受け取り方や考え方は、いつも慣れ親しんだものを無意識に使う習慣がつきやすいです。

 CBTをすることによって、習慣になってしまった極端に偏っている考え方を、実際に目に見える状態で、ニュートラルに近づけることができます。

【実践編1】どう使う?CBT|具体例で見てみよう

 例えば、雨の日は、ゆううつな気持ちになるのが、あなたのいつもの受け止め方だったとします。
髪がまとまらない、ジメジメとしていて足元が濡れて気持ち悪い…いろんな気持ちが、あるかもしれません。

 でも、雨が降っている時は、植物がとてもイキイキとしますし、レインブーツを持っていれば、水溜りがあってもバシャバシャと子どもに戻って歩くことを楽しむなら、また雨がまた降ることは変えられませんが、雨の日を楽しみに待てるような、あなたに変わることができるかもしれません。

視線の先に、シャキッとしてるグリーンを置くのか、鏡の中のヘアスタイルが決まらない自分を置くのか、脳内をレインブーツのことを考えるか、「ジメジメ」「気持ち悪い」という感覚でいっぱいにするのか、そんな些細な毎日の出来事が、わたしたちの毎日の気分を作っていると考え、その部分にフォーカスしていくことで、意図的に変えられるのでは?と考えるわけです。

 (この続きを、もっと深堀りしたものを下に書きましたので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。)

CBT(認知療法・認知行動療法)は? まとめ

 このように、ストレスを感じると、私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できない心の状態に、自分で自分を追い込んでしまいます。

 そして、その状態が長く続くと、自分で自分を追い込むことが習慣になってしまって、いつも悲観的に考え、それを元に行動することも習慣になってしまいます。

 このループから抜けることが難しくなると、周りの人もサポートがしづらい状況になりやすいのです。

 認知療法(認知行動療法)は、そうしたものの受け取り方、考え方を調整するのに役立ちます。
バランスが取れてストレスに上手に対応できる心の状態をつくっていくのに、役立てることができます。

 

CBTは、どう発展してきたの?

 ところで、CBTは、いつ頃からどのように発展してきたのでしょうか。
あらためて、確認してみましょう。

CBT(認知療法・認知行動療法)世界の歴史

 精神科での治療メソッドとしてのCBT(認知療法・認知行動療法)は、1970年代にアメリカのAaron.T.Beckが、うつ病に対する精神療法として開発しました。

 その後、治療に適用できる範囲を広げ、うつ病だけでなく、不安障害・ストレス関連障害・パーソナリティ障害・摂食障害(神経性大食症)・統合失調症などに対しても用いられるようになりました。

 その治療効果と再発予防効果を裏付けるエビデンスが、多く報告されてきたことから、欧米を中心に世界的に広がりました。

CBT(認知療法・認知行動療法)日本国内の歴史

 日本でも、1980年代後半から、精神疾患に対する心理療法として用いられるようになりました。

 また、治療目的ではなくても、日頃のストレスコーピングやコミュニケーションの問題、司法や学校での問題への効果的な対応策として注目されてきました。

 現在でも、その治療効果の有効性を証明するエビデンスを積み重ね、より治療に効果の高い使い方を模索しています。

CBT(認知療法・認知行動療法)現在の状況、主な団体

現在では、認知療法、認知行動療法

CBT(認知療法・認知行動療法)これまで|まとめ

 アメリカで1970年代に開発されてから日本に導入された1980年代後半を経て、CBTは現在でも世界中のメンタルヘルス分野で、広く使われています。

 

【実践編2】先ほどの具体例をもう一度、深堀りしてみよう

 先ほどの、雨が降ると反射的にゆううつになるというケースですが、もう少し、ていねいに具体的に深堀りしてみましょう。

 復習がてら、もう一度書きますと、例えば、雨の日は、ゆううつな気持ちになるのが、あなたのいつもの受け止め方だったとします。

CBT(認知療法・認知行動療法)他の考え方も検討してみる

 雨が降っている時は、植物がとてもイキイキとしますし、おしゃれなレインブーツを持っていれば、水溜りがあってもスマートにやりすごしたり、バシャバシャと子どもに戻って歩くことを楽しむなら、また雨が降ることは変えられなくても、雨が降ることを楽しめるあなたに変われるかも?というお話でしたね。

 もう1つ、別の考え方を加えるなら、土砂降りの中をずぶ濡れで帰ってきて、ぐったりしても、お風呂に浸かった時には、「くーーーっ!このために生きてる!!」と呟く等、仕事帰りに居酒屋でビールを美味しそうに飲んでいるテレビCMの美女かおじさんになりきることもできます。

 体調が悪い時、ヘトヘトに疲れている時は、そんな風に楽しめる余裕など、正直ありませんし、時に楽しそうな人が、恨めしくなってしまうのが、人間というもの。

でも、どんなに余裕がなくても、顔が死んでいても、カタチだけでもやることが「呼び水」となって、泣きっ面に鉢を防ぎ、楽しめる出来事を意図的に呼び寄せるという方法もあるのです。

 

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もっと深堀りCBT(認知療法・認知行動療法)(応用編)

 このケースの応用を考えてみますと、もし、「自分は雨女(雨男)だから…」とブルーになってしまう人がいたとしても、農家の嫁(婿)になれば、恵みの雨を降らす人材として、重宝されるかもしれません。

 いっそのこと、砂漠に引っ越せば、食糧危機を救う女神として民衆に崇められるかもしれませんよね。民衆が集まってきて「いつものをお願いします」と懇願され、「仕方ないわね、ちょっとだけよ」と、玉座に座ったまま、ちょっとブルーになるだけで、「あ!雨だ!!」「これで、作物が生き返る!」「砂漠に緑が!!」民衆が喜んで歓喜の舞を舞い始めます。

 もし、すっかりガラッと気持ちを変えたいなら、クラスメートや同僚を巻き込んで、雨乞いの歌や舞を考えてこっそり試してみれば、理不尽なことで、先生や上司やにガミガミ怒られても、心の中で「よきにはからえ」と防御系魔法のごとく呟くことで、後々まで引きずってしまうような「傷つき過ぎ」を防げるかもしれません。

どうでしょう?

考え方と行動次第で、全く違う人生が送れそうじゃないですか?
心がすっかり折れてしまうことは、ないかもしれません。

 実際に、農家に嫁ぐか、砂漠に嫁入りするかは、ひとまず、さて置き、雨が降っている時に、空を見上げながら、このように考えてクスッと笑えるだけでも、心を軽くしたり、気持ちを明るくすることができそうです。

(もちろん、常識の範囲内で!!!やる事は、ちゃんとやろうね!)

 

H2-4 体調が悪かった当時の自分を振り返って

体調が悪かった頃が10年以上続き、出口の見えない希望が持てない日々は本当に辛いものでした。
今思い返しても、よく死ななかったと思います。

ウツが大変だった頃

 筆者のメンタルが絶不調だったときは、今思えば認知が悲観的になりすぎていて何が起きてもブルーになっていました。

 本当に体調が悪いときは、ポジティブに物事を考えられる人を避けたり、お祝いムードのテレビ番組などは、全く見ることができませんでした。
オリンピックなんて、もってのほか。テレビ即OFFです。

「おめでとう」の「お」も聞きたくない。

 また、家族や友人に何かを提案されても「でも」「でも」「でも」と全てに反論をしていました。

今思えば、体調が悪いときは些細な変化にも対応できず、すぐに寝込んでいたので、新しい考え方を取り入れる→また体調を崩すに違いない!
もうすっかりパンパンだったので、何を言われても受け入れる余裕がありません。

余裕がないと柔軟に考えることができず、ますます落ち込み、どんどん深みにはまりました。

ウツに圧倒されるということ

 自分にとって、「寝込む」ということは、どうにも動いてくれない重い自分のからだと悲観的なことしか考えられない自分の心を抱えて一人きり、布団の中で動けないまま途方に暮れるか、泣いているか、絶望しているかのどれかでした。

 具合悪さ度で言うと、、、比べるのは難しいですが、インフルエンザが10くらいなら、ウツは300くらいでした。当時は、具合悪すぎて、うまく言語化できていなかったけれど、心と身体が本当にズッシリと重く、重すぎて、言葉にならない感じ。

 何度も何度も、その状態を経験したので、それが、2,3日で終らないことはわかっていたし、終わったとしても、またゼロからリハビリをする生活が来ることも分っていました。
それを考えるだけで、また気持ちが滅入って、希望が持てなくなっていました。

 また、元気を取り戻したとしても、数ヶ月で元気な時期が終わってしまうのを繰り返していたので、元気になったことを素直に喜ぶこともできません。このような状態が長く続くと、希望を持つことは難しくなっていきます。

サポーターも大変だ

 症状がそれを引き起こしているとはいえ、家族や友人も、見ていて辛かったと思うし、症状がさらに悪化しないように腫れ物に触るようなサポートをすることしかできなかったことは、見ている側も辛かったと思います。

 当事者の立場からすると、体調が悪いと本当に余裕がなく、そこまで考えることができないくらい認知が悲観的になっているのですが、サポートしている家族や友人も、その状態に関わっている当事者の一人であることに変わりはありません。
 さらに距離が遠い人(例えば親戚や友人の家族など)から聞かれても、いい返事ができないことが年単位で続いていったことは、サポーターにとっても、幸せを実感できる状態から、かなり遠い距離があるのではないかと思います。

まとめ

 

 

CBT(認知療法・認知行動療法)|実際に使ってみて

 CBTの使い方を学び、使う前の自分。使っている間の自分。使えるようになった自分。
どのように変化したのか、まとめてみました。

ここが良かったCB(認知療法・認知行動療法)

 使い始めた頃は、試してみても何も効果を感じられなかったり、ポジティブな人の考え方のサンプルを見ても嫌悪感があったりして、全く受け入れられなかったこともありました。

 でも、繰り返し使っているうちに違和感や嫌悪感も薄れてきて、だんだん自分の書いた内容そのものにフォーカスできるようになっていきました。

 一定のフォーマットに従って、コツコツ書いて振り返りを行うことで、自分の偏ったスキーマにも気がつくし、気がつくことで、自動的に修正がかかってきて行動が変わったり、睡眠が整ってきたりしたので、だんだんと効果を感じるようになりました。

 はじめはひととおりのプロセスを終わらせるのに時間がかかって数十分かけてやっていましたが、練習しているうちに慣れてきて、かける時間が短くなり、紙がなくてもソラでできるようになり、外出先であっても、その出来事が起きた直後に、頭の中でできるようになりました。

 そのフォーマットに沿ったフローが頭の中でできるようになってくると、悲観的になる前に、悲観的になることそのものを止めることができるようになり、その考え方をもとに判断をしなくなったので、自分の言動が修正されるようになり、悲観的な考え方をする元になる出来事が減っていきました。この循環の変化と同時進行で、絶不調になる頻度が減っていきました。

 CBT以外のメソッドと交互に使ったり、組み合わせたり、カスタマイズして統合することで、更に自分にとって役立つメソッドとして身体に染み込ませることができました。

ここはイマイチ使えなかったCB(認知療法・認知行動療法)

 注意点を1つ挙げるとするなら、簡単な質問にも答えられず、グッタリと長期間寝込むような、本当に体調が悪かった「内観をすることができない」「考えるともっと具合が悪くなる」時は、使用を控えていました。

 そもそも、そこまで体調が悪いと、やろうにも、できないわけですが、休むことが仕事で、サボると不調の時期が長引く「いのちだいじに」のフェーズでは、まさに認知がうまく働いていないので、その判断がつかなかったこともありました。

 そういう時は、周りのサポーターに止めてもらうというサポートもお願いできますが、焦りや罪悪感でグルグルのときは、「御意」とならないので、せっかくの好意に対し、とっさのカウンターで致命傷を負わせないように、お互いに注意が必要でした。

CBT(認知療法・認知行動療法)その他の副作用的なこと

 コツコツと書きためた紙の束を見た時に、体調が悪いとできないことも増えるし、いつも3日坊主が多い自分だけれど、「自分、頑張っているな」と自分で自分を少しだけ認められることもありました。

 また、自分が、ピアスタッフとして働いていた時に、福祉施設の利用者さんにどんな風に書いているのか、参考のために見ていただきました。

 そのメンバーさんは、「◯◯さん(筆者)の心が、ちょっとだけ見えちゃった!」と笑っていましたが、次にお会いした時に、自分がやりたいことを考えてきて、お話しして下さったのがとても嬉しく印象深かった思い出です。

 別の機会に、他の患者さんのお父さんに、別のフォーマットを書いたものを、お見せしたこともありましたが、これは、とても分かりやすいと言ってくださり、その声のトーンが本当に素だったので、同居のご家族ですと、簡単に行かない部分も多いですが、ぜひ、ご活用して頂けたら!!と思ったのを覚えています。

CBT(認知療法・認知行動療法)使い心地 まとめ

 筆者の個人的な感想ですが、自分の極端に偏ったスキーマをニュートラルに戻すのに、穏やかに効果があり、練習することでセルフで使えるようになったので、とても使い勝手が良かったです。

 実際に「何が起きたのか」ではなくて、起きたことをどのように受け止め、どのように考えるかにフォーカスしていくことで、何かが起こるたびに、反射的に、オートで鬱モードに突入して行く自分(盲目的に突入していく自分に気づかない自分)を、後ろから呼び止められるサポーターとしての自分を、自分の内側に作っていくイメージでした。

CBT(認知療法・認知行動療法)全体のまとめ

 

 

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